書店の新書大賞2021紹介コーナーで見つけたスウェーデンの精神科医、アンデシュ・ハンセン著の『スマホ脳』(新潮新書)を読みました。(中央公論新社主催の新書大賞2021 第5位にランクイン)
普段あまり本を読まないんですがとても面白くて自分の行動を変える一冊になりました。毎日使用するスマホに対する見方が変わるので現代人全員にオススメしたいです。
【本の内容、面白かった部分】
自分の中で特に目的もなくスマホを触ってしまって気づいたら思ったよりも時間が経っていたということがあります。
問題意識はあるのですがなかなか行動を変えられない……その原因はどこにあるのか知りたくてこの本を読みました。
本書では「スマホをなぜこんなに触りたくなるのか?」や「スマホを触ることでメンタルや健康にどんな影響が出るか?」について人間の進化や脳の働きなどを絡めながら分かりやすく述べられています。
難解な部分はほとんどなく、身近な例や様々な実験結果が紹介されているところが面白くて読みやすかったです。
例えば「スマホを別室に置いたグループ」と「スマホをポケットに入れたグループ」で記憶力と集中力を調査した結果などが紹介されています。
「スマホを触らずにポケットに入れていただけで集中力の低下が見られた」という結果は驚きと同時に、自分の生活にも思い当たることがあって納得感があります。
こうした実験結果から「集中したいときはスマホを手の届くところに置かない」など自分の生活に応用するヒントが得られます。
また、「スマホは脳に悪影響を与えるから排除すべき」みたいな批判する内容なのかと思いつつ読み始めたのですが、そこまで攻撃的な内容ではありませんでした。
ある程度の危機感は感じつつも「スマホの適切な利用の仕方を考えさせられる」ポジティブな感想を持つ内容でした。
もし本書がスマホを「悪」として批判する内容だったら「そうは言ってもこれからスマホがなかった生活に戻すなんて現実的でない」と反論したくなり、結局は自分の行動も変わらなかったかもしれないです。
スマホを拒絶する主張ではないからこそ、すんなり受け入れられて自分の生活にも取り入れた方がいいなと思うことができました。
【自分が『スマホ脳』を読んで変わった行動3つ】
本書のアドバイス通り、自分のスマホの利用時間をスクリーンタイム(iphoneの[設定]から確認)で確認しながらスマホを使う時間を減らしています。
自分の場合、スマホを使う時間を減らしたことで次の3つにあてる時間が増えました。
①「運動」
これまでならちょっとした時間に特に目的もなくスマホを持ち上げていましたが、それを思いとどまってスクワットや腕立てなど軽い運動をするようになりました。
本書の第8章でも運動がストレスの軽減や集中力の改善にもたらす効果が述べられていて、生活に取り入れることがオススメされています。
②「睡眠」
睡眠の重要性と睡眠へのスマホの影響も本書の第5章で述べられています。
自分は寝る前にダラダラスマホを見たり、夜中に目が覚めた時にスマホをとりあえず開くのをやめて睡眠時間を増やしました。
寝る前にブルースクリーンを見るのは良くないというのはこれまで色んなところで聞いてきましたが、実際にブルースクリーンから離れるという行動に移せたのはこの本が初めてです。
③「読書」
これまでは家の中を移動するときは大体スマホを持ち歩いていましたが、それをやめて移動先に本を置いて読むようにしました。
また、上の睡眠と連動するのですが寝る30分とか1時間前にブルースクリーンを見ないようにすると自然とできることが限られてくるのでその時間も読書にあてたりするようになりました。
3つどれも自分のメンタル・身体に良い影響が出ていると感じます。
【まとめ】
「スマホ脳」を読むことで毎日使うスマホへの見方が変わり、スマホを使う時間を減らすことができました。
スマホを使う時間が1時間減るとその分他のことに時間を使えて気分も上向きます。
1日の内に何時間もスマホを使用する現代人は「スマホ脳」から学ぶことが多く、行動に変化が出やすいのでオススメです。